日常のアーユルヴェーダ

五感ケア:視覚編:前編

五感ケアとは、
視覚・聴覚・嗅覚・味覚・触覚の5つの感覚器官をケアすること。

このうち、味覚に関してはこちらをご覧ください。

さて、今回お伝えするのは目・視覚のケアについてです。

アーユルヴェーダの視覚のケアとは?

アーユルヴェーダの健康法では
予防のためのケアに何よりも重点をおいています。

アーユルヴェーダの日常ケアでは、
日々の暮らしの中で五感を整えることが中心になります。

五感は人間にとって、
外部の情報を取り入れるための大切なセンサーです。

そして、
五感の中でも視覚から入ってくる情報は膨大。
そこで、特に丁寧なケアが必要なのが
「目」
という器官です。

アーユルヴェーダでは
目はピッタ=火のエネルギーの担当部位です。

目にはいつも涙があるので、第一印象からは
水のエネルギー=カパの担当部位のように思いがちです。

が、実はここはピッタの担当。

目はなぜピッタの部位なの?

目から入ってくる情報の量は、
他のどの器官からはいってくる量よりもはるかに多いはず。

意識して何かを見るということをしなくても、
常に情報が勝手に入ってくる器官です。

朝、目を覚ましてから夜眠りにつくまで、
目は常に情報収集の最前線。
終日フル稼働の状態です。

特に危険情報の仕分けは死活問題なので
目にしたものが危険かどうかの判断などは一瞬たりとも気を抜けない。

この目から入った膨大な情報は、
最重要情報として脳へ運ばれますが、
その過程で、情報は取捨選択、加工され、
必要な情報だけが脳へ伝えられます。

つまり、目を通る段階で、
ある程度情報の変換・処理が行われているということ。

ピッタ=火のエネルギーには、
消化、変換というメインの働きがあり、
食べたもののの消化・変換以外に、
知識に関する消化・変換も含まれています。

つまり、情報の消化・処理を担当する目は
ピッタの担当部位というわけ。

では、次にどんなケアが必要か見ていきましょう。

目にはどんなケアが必要なの?

目に限らず、五感のケアには、大きく2通りあります。

1.感覚器官本体をケアする方法
オイルを使ったり道具を使うなどして
目や耳、口など、感覚器官そのものをケアします。

2.入ってくる情報を利用して調整する方法
外から入ってくる過剰な情報や、ドーシャのバランスを崩すような情報を遮断し、
バランスを整えるような情報を取り入れるようにします。

このどちらも大切です。

1.の場合の目的は、
感覚器官本体をケアして
見る、聞く、嗅ぐなどの行為が正しく行えるように整えること。

舌掃除で汚れを取ることで味覚のセンサーを整えることや、肌へのオイル塗布によって、肌というセンサーが正しく働くように整えることなど、足し算引き算を場合によって使い分けます。

2.の場合の目的は
望ましくない、不要な情報が入らないようにすることと、本当に必要な情報だけに集中できるよう環境を整えることです。
こちらの場合も足し算と引き算、両方が必要なのです。

さて、この2つの方法を土台にした目のケアについては
次回お伝えしていきますね。