ナクシャトラ

ナクシャトラとは

ナクシャトラについての解説です。
長いので、気になるポイントから読んでいただければ。

ナクシャトラとは、インド占星術特有の27星座のことです。
ナクシャトラを理解するには、西洋占星術とインド占星術の違いなども含めて知っておく必要があります。

では、さっそくみていきましょう。

西洋占星術や宿曜との違い

西洋占星術との星座の違い

西洋占星術の星座

・太陽の軌道上で天空360度を12分割して12星座としています。
・12星座:牡羊座・牡牛座・双子座・蟹座・獅子座・乙女座・天秤座・蠍座・射手座・山羊座・水瓶座・魚座

インド占星術の星座

・インド占星術でも西洋占星術と同じ12星座を使います。
・12星座と併せて、月の軌道上で天空360度を27分割した星座=27ナクシャトラを使います。
・ナクシャトラは360度÷27=13度20分となり、ひとつのナクシャトラの領域は13度20分です。
・開始点は牡羊座の0度。ここから13度20分までの領域を支配するのが「アシュヴィニ」という最初のナクシャトラです。最後は、魚座の16度40分から30度00分の領域を支配する「レーヴァティ」まで、全部で27のナクシャトラが並んでいます。
・27ナクシャトラ一覧
アシュヴィニ・バラニ・クリッティカ・ローヒニ・ムリガシラ・アールドラ・プナルヴァス・プシュヤ・アーシュレーシャ・マガー・プールヴァパールグニ・ウッタラパールグニ・ハスタ・チトラ・スヴァーティ・ヴィシャーカ・アヌラーダ・ジェーシュタ・ムーラ・プールヴァアーシャーダ・ウッタラアーシャーダ・シュラヴァナ・ダニシュタ・シャタビシャ・プールヴァバードラパダ・ウッタラバードラパダ・レヴァティ
各ナクシャトラへはこちらから

西洋占星術との起点座標の違い

西洋占星術とインド占星術では、12星座の起点となる位置を決める計算方法が違います。

西洋占星術=トロピカル方式

・トロピカル星座帯を使っています。
・春分の日に太陽が位置しているポイント=春分点を牡羊座の0度として、そこから、魚座まで30度ずつ区切っています。
・はるか昔、春分点と牡羊座の0度は重なっていましたが、地球の歳差運動のため、現在は約24度ずれています。
・現在の春分点は、牡羊座の0度にはなく、魚座の6度あたりになります。
・トロピカル星座帯の位置は、実際の夜空の星座の位置とずれがあります。
・トロピカル方式は、天空の星座の位置を基準で考えるのではなく、春分点を基準とした時間軸で捉える方式です。

インド占星術=サイデリアル方式

・サイデリアル星座帯を使っています。
・天空の固定されたある恒星を起点として設定して、30度ずつ区切っています。
・動かない恒星が起点になるため、星座が天空で固定された状態になります。
・夜空に見える星座と完全に一致するわけではありませんが、かなり重なっています。

宿曜とナクシャトラ

・ナクシャトラも宿曜も月の軌道を基準にしているため、どちらも「月の宿」と呼ばれています。
・宿曜はナクシャトラを起源としています。
・宿曜がインドから中国に入り、中国の思想を取り入れて変形し、それがやがて日本に伝えられました。
・宿曜は27宿、ナクシャトラも27星座。基本的なところはそのまま残っています。
・27宿にはぞれぞれ対応するナクシャトラがあります。

ナクシャトラとは

月の軌道上にある星座

・ナクシャトラは、月の軌道を基準にしています。
・月は天空の軌道を約1ヶ月で一周して元の位置に戻ります。正確には、27.3日で地球を一周します。
・毎日同じ時間に同じ位置から月を見ると、少しずつ月の位置が変わっていくのが分かります。
・月の周期は約27日、ナクシャトラは27ですので、月はひとつのナクシャトラに約一日の間滞在して、次のナクシャトラに移動します。

ナクシャトラの神話

27のナクシャトラはプラジャパティの娘。
プラジャパティは月の神ソーマに、条件付きで27人の娘との結婚を許します。
その条件とは、27人の娘を平等に扱うこと。
そのため、ソーマ神は27人の妻の住むところを1日ずつ訪れることになりました。

ところが、すぐにソーマ神はその中のひとり、ローヒニに特別に惹かれるようになり、他の妻と過ごすよりも長い時間をローヒニと過ごすようになりました。

これに不満を抱いた26人の妻たちが、このことを父であるプラジャパティに訴え、プラジャパティは娘を平等に扱うという約束を破ったソーマ神に死の呪いをかけます。
呪いを受けて、ソーマ神が徐々に死に始めると、ソーマ神を失うという事実に26人の妻たちは驚き、嘆き悲しみます。

26人は間違いに気づき、父にのろいを解くように嘆願しますが、一度かけたのろいを取り消すことはできません。
娘たちを悲しませることもできず、プラジャパティは、のろいを変更するという秘策を講じます。
ソーマ神は毎月一度死んで、再び生き返るということを繰り返す、という呪いに変更したのです。

こうして、月はひと月の間に欠けたり満ちたりするようになったのです。

誕生ナクシャトラと日のナクシャトラ

誕生ナクシャトラ

・生まれた日、生まれた時間に月が滞在していたナクシャトラです。
・月のナクシャトラが一番重要視されますが、他の惑星にも適応します。
・その人自身の個性を解き明かす誕生チャートの読み解きの際に、12星座と併せて、月やそれ以外の惑星のナクシャトラを使う場合もあります。

日のナクシャトラ

・毎朝、日の出の時間に月が滞在してたナクシャトラで決まります。
・月は約一日でナクシャトラを移動するので、ほぼ毎日ナクシャトラが変わります。
・日のナクシャトラはその日のエネルギーの性質に関係します。
・それぞれのナクシャトラには固有の特徴や性質があり、月がナクシャトラを通るたびに、その特徴や性質のスイッチを押して、発動させていきます。
・日本では六曜で大安吉日をチェックする習慣がありますが、同じように、インドではナクシャトラをその日の行動の吉凶判断などに使ったりします。
・それぞれのナクシャトラは7つの性質に区分けされ、それぞれの性質にあった行動をとるとよい結果につながりやすくなります。
・それぞれのナクシャトラの日には、勧められる行為、勧められない行為があります。
・起業に適しているナクシャトラ、旅行など移動に適しているナクシャトラ、何かを始めるのに適しているナクシャトラ、決断するのに適しているなどが主なものとしてあげられます。

ナクシャトラが伝えるもの

ヴェーダ哲学的思想でのナクシャトラ

・星々は、季節や時間を計るための道具であるだけでなく、神々の叡智を地上へ届け、誕生や死を司り、魂を導く力であり、死後、私たちの魂は星々の世界へと旅立ち、神々や祖先たちの世界へと戻っていく
・ナクシャトラは神々や宇宙のパワーなどが宿る場所
・ナクシャトラには私たちの前世での働きや行動の結果が埋め込まれている
・ナクシャトラには魂が何度も繰り返す人生の旅を護り、神聖なる叡智を地上へと届ける役割がある
・ナクシャトラは人生においての礼拝や瞑想、精神的労苦の集大成としてのカルマを分け与える
・ヴェーダ的儀式や瞑想などは、月が好ましいナクシャトラに位置したときに行うべきである
・ナクシャトラは、結婚などの、特に神聖な行動や行事を行うのに好ましい日を選ぶのに重要である

個人のチャートでのナクシャトラ

・月のナクシャトラは性格、人格、感情面などを表わす
・個人の特徴や人生で体験するイベントのタイミングが描かれている
・個人の気質、特徴、外見、そして、好きなことや嫌いなことなどを表わす
・自己発見、自己認識のための有効なツール
・一番重要視されるのは月のナクシャトラ。他の惑星のナクシャトラも使うことで、その人のパーソナリティや人生をより深く理解することができる。
・各惑星のナクシャトラは、込められた心や感情のエネルギーを表わす。