アーユルヴェーダ

ギーの作り方

ギーの作り方のご紹介です。

無塩バターとお鍋があれば、だれでも簡単にギーを作ることができます。
必要な素材と道具についてにはこちらをどうぞ

準備ができたら、早速はじめてみましょう。

作り方の手順

  1. 無塩バターを鍋にいれて火にかけます。
    最初は中火で、バターが溶け始めたら、火を弱めて弱火に。
    ここからはずっと火は弱火。
    できるだけゆっくりと丁寧にバターの中の水分を飛ばしていきます。
  2. バターがすっかり溶けた後は、一切かき混ぜたりせず、ただ見守ります。
    バターが液状になったら、最初は表面に白っぽい泡がわいてきます。
    この時鍋の上にそっと手をかざすと、手のひらに湿り気が感じられます。
  3. 白っぽい泡がだんだん減っていき、代わりに透明な泡がでるようになります。
  4. しばらくすると、小さな透明な泡のひとつひとつが、大きな透明な泡に変わっていきます。
  5. 透明な泡同士がくっつきだして、さらに大きな泡をつくるようになり、その後、白く細かい泡に変わっていきます。
    注意しながら鍋の上に手をかざすと、まだ少し手のひらに湿り気を感じます。
    眼鏡や鏡があれば、かざしてみるとくもるのがわかります。
    まだ水分が残っている証拠です。
  6. 透明な泡はなくなり、白く細かい泡が増え、表面がすっかり細かい泡に覆われたら、火を止めるタイミングです。
    ギーの甘いよい香りもしてきて、手をかざしても湿り気がありません。
    この泡は一気に盛り上がってきて吹きこぼれそうになることがあります。
    その場合には、ヘラで上の泡だけをつぶし、吹きこぼれないように注意です。
  7. 火を止めたら、熱いうちに耐熱容器に移すようにします。
    火を止めてもしばらくは加熱が進みます。火を止めるタイミングによっては、ギーが茶色くなり始める(=焦げはじめる)ことがありますので、注意してください。
    下の写真は、火を止めて少したったもの。泡が減り中身がみえるようになります。
  8. 鍋の底には、下の写真のように焦げができます。ギーが茶色く見えますが、これは、底にできた焦げの色です。
  9. ギーを入れる容器の上にペーパーを敷いた茶こしを置いて、少しずつギーを流していきます。
  10. できあがりです。茶こしのペーパーにも不要なものが残り、鍋の底にも焦げが残ります。

完成品:固まるとこんな感じになります。こちらはわたしが現在使用中のもの。

作るときに注意すること

  • 鍋から離れない。
    バターを火にかけてからギーができるまで、大体15分程度。
    火を止めるタイミングはとても大事ですので、必ずつきっきりで作ってください。
  • 途中でかき混ぜない
    下に沈殿物がたまるようにしたいのです。
    膨れ上がってきた泡を潰す、泡を寄せて中を確認するぐらいはよいのですが、ギーの中にヘラを入れてかき混ぜないようにしてください。
  • 火を止めるタイミング
    ヒントになるのは次のようなポイントです。
    ・手に湿り気を感じない
    ・白い細かい泡が鍋全体に広がっている
    ・甘い香りがする
    これらをヒントにしながら何度か試してみてください。ご自身なりの判断基準ができてくると思います。
  • 鍋やバターの水滴に注意
    作る前に、鍋にも、バターにも、水滴がついていないように注意してください。
    ・鍋:洗ったばかりの鍋を使うときは、水気をよく拭きとってください。
    ・バター:冷蔵庫から出したばかりのバターは表面にわずかな水滴がついていることがあります。キッチンペーパーで軽くふきとるなどしてください。
    わずかでも水分が残っていると、バターが溶けだしたころに、バターがはじけることがあります。
    私も2度ほど経験しました。
    万が一そうなった場合には、フタをしておさまるまで待ってください。フタをとるときには、今度はフタの水滴が鍋の中に落ちないようにすばやくとってくださいね。

保存のときに注意すること

  • 保存期限
    作る量で調整して3ヶ月~6ヶ月程度で使い切る方がよいと思います。
    冷蔵庫だと半年から1年もつと言われていますが、冷蔵庫に長くいれておくと、冷蔵庫の臭いがギーに移ったりしますので。
  • 保存場所
    冷蔵庫での保存をお勧めします。
    インドでは常温で保存しているので、日本でも常温で保存して、夏には冷蔵庫に入れることを勧める記述もありますが、私は念のため冷蔵庫で保存しています。
  • 不純物を混入させない
    水分や不純物が入るといたみやすくなります。
    水分や不純物が入りやすくなるのは、ギーを容器から取り出すときですので、以下2点に注意です。
    ・水滴のついていない乾いたスプーンを使う
    ・ギーを一度すくったスプーンで、もう一度ギーをすくわない
    二つ目は、串揚げのソース二度付け禁止のようなものです。
    例えば、バターナイフで一度ギーをとってパンにつけた場合、同じバターナイフでもう一度ギーをとることをしません。パンくずなどの汚れがついているからです。
    私はギーを冷蔵庫で保管していますし、まだギーをダメにしたことはありません。ですので、そんなに神経質にならなくても大丈夫かとは思いますが、念のためご注意ください。