日常のアーユルヴェーダ

五感ケア:味覚:舌掃除・タングスクレーパー

アーユルヴェーダについて学び始めた初期のころに習うのが、
この舌ごけの掃除ではないかと思います。

ちょっと特殊な道具を使いますが、
これはスプーンでも代用できますし、
手軽で習慣化しやすいという利点があります。

そしてなにより一度試しただけでも
違いが実感できる即効性があります。

その舌掃除についてご紹介しますね。

アーユルヴェーダの日課代表:舌掃除

舌ごけはとったほうがいいの?

舌ごけとは?については、こちらの記事を参照くださいね。

アーユルヴェーダでは舌ごけはアーマと呼ばれていて、
胃腸の状態のバロメーターになると考えられています。
アーユルヴェーダ医師に診てもらう際には、
必ず舌の状態のチェックがあります。

私も朝起きて、舌に白い物がついていたりすると
昨日一体なにを食べたっけ?と考えを巡らせます。
逆にピンクできれいな状態だと、よしよし!と
気分よく一日を始められます。

現代的な分析でも、舌ごけは細菌や食べかすであるとされていて、
朝起きたときについている舌ごけはいわゆる老廃物や細菌です。

いずれの説明でも、舌ごけは不要なもの。
鏡で状態をチェックした後は、お掃除することがおススメです。

ところで、舌ごけと表記していますが、
ネット検索すると舌苔=ゼッタイで検索にでてきます。
専門用語で正しくはゼッタイという読み方が正しいようです。

私の場合、アーユルヴェーダを習い始めたころから、
舌ごけという言い方に慣れているし、覚えやすいかなというのがあって
こちらの言い方を使っています。

道具は何が必要?

舌掃除には道具が必要になります。

アーユルヴェーダではタングスクレーパーというものを使います。
古典書には素材や形状も詳しく説明されています。

古典に記載されていること。
<素材>
金・銀・銅・錫・真鍮 この順番でお勧めだそうです。

<詳しい解説>
柔らかく、なめらかで、先端がとがっていないくて、曲がったもの
サイズについても説明があるんですよ。

形はこちら。

こちらは私の愛用品、銀製です。

古典に書かれている素材で
日本でも手に入るものは、
銀製・銅製だったのですが、
ここのところ、銀製を見かけなくなりましたし、
見かけてもかなり高額になっていますね。

一番おススメするのがこちら。
ショップブラフミーのもの。
ひとつひとつ職人さんによる手作り。

銀製 タングスクレーパー(舌みがき)

銀は肌への当たりが一番柔らかです。

銀製が高いという方には、
ステンレス製や銅製のものをおススメします。

こちらはケース付きのもの。
旅行に行くときなどに持ち運べるのは便利です。

私がワークショップなどでご紹介しているのは、
こうしたステンレス製です。

初心者の方の場合、続けられるかどうかわからないので、
まずは、安価で使いやすいステンレス製をご紹介しています。
1,000円以下で購入可能ですので、お試し価格として
手を出しやすいかと思います。

ステンレス製でもちょっとこだわりたい方には、
アーユルヴェーダに精通しているメーカーが販売しているものをおススメします。
こちらは、舌にあてる部分、カーブになっている個所の幅が
普通幅のものと幅広と2種類あります。

はじめは安価なステンレス製を購入し、
舌掃除が毎日の日課にすっかり定着して、
もっといい素材のものが欲しくなったら、
ぜひ銀製のものを手に入れてください。
舌ざわりが抜群ですから。

ここまで、タングスクレーパーの使用をおススメしていますが、
明日からすぐ始めたい!という方は、
カレー用のスプーンを使ってみてください。

赤で色を付けたスプーンのふちの部分を下にあてて使えば、
タングスクレーパーの代用になります。

欧米では、舌掃除専用のブラシ状のものがありますが、
おススメはタングスクレーパーです。
理由は、金属製なので洗いやすくて清潔に保ちやすいこと。

それから、
歯ブラシで代用することは絶対におやめくださいね。
舌には味蕾という味を感じる大事なセンサーがあります。

エナメル質の歯をごしごしするための道具・歯ブラシでは、
この繊細な味蕾を傷つけてしまいます。

掃除の仕方

こちらのイラストを参考してみてください。

タングスクレーパーを舌の奥にあてて、
奥から手前に向かって、
1.真ん中
2.右
3.左
と3回こするのが基本です。

注意して欲しいのは、
先端を奥に入れすぎないことと
力を入れすぎないこと。

先端を奥に入れすぎると
オエッてなってしまいますのでご注意を。

力を入れすぎないことも大切です。
白いものがついていると、
きれいに取れるまで何度もこすりたくなるもの。

力をいれてこする、
何度も何度もこする、
ということをしたくなりますが、
無理は禁物です。

舌ごけをすべて一度でとろうとしないように。
全部とれなくても、
続けていれば、徐々にきれいになりますから。

舌は味覚の大事な大事なセンサーです。
美味しい物を十分に味わうため
ももちろんですが、
さまざまな味を感じることで
心が整い、体も整います。

センサーがちゃんと働ける状態にしておくこと
が舌ごけ掃除の目的ですので、
傷つけてしまって
味を感じられなくなるなんてことになれば
それこそ本末転倒です。
くれぐれもご注意くださいね。

いつやるといいの?

一番のおススメは、朝起きてすぐです。

朝起きてすぐに歯磨きする方は、
歯を磨いた後に続いて舌掃除してみてください。

朝起きてすぐに歯磨きしない方は、
朝起きたら、まず舌掃除して口をゆすいでくださいね。
水分を含め、何かを口に入れる前に掃除するのがおススメです。

朝起きた時には、口の中には細菌がたまっている状態です。
まずは、その状態をきれいにしてから
水を飲んだり、朝食を摂ったりするのがよいのです。

続けることが大切

舌ごけの掃除に限らず、
アーユルヴェーダの日々の日課は続けることが大切です。

一度で何かが劇的に変わった
という体験もときには大事ですが、
そういう体験は、
変わったと思ってもすぐにまた戻ったり、
体や心に負担をかけたりすることもあります。

日々の生活の中で、コツコツ積み上げていくこと、
普段からこまめにメンテナンスすることは
誰でも、自分でできることですし、
少しずつ慣れる、馴染むことは
とても大切なことのように思います。

そんな小さな積み重ねで、
心と体が整うことで、
日々のパフォーマンスが上がっていく。
それが理想形ですね。

日々の舌掃除、ぜひ続けてみてください。