日常のアーユルヴェーダ

五感ケア:視覚編:後編

アーユルヴェーダの目のケアついてお伝えしています。

今回お伝えするのは、具体的なケアの方法です。

アーユルヴェーダの視覚のケアとは?

目はピッタの担当部位だということを前回お伝えしました。

詳細はこちらをどうぞ。

アーユルヴェーダの五感ケアの基本にはエネルギーの調整があります。
専門用語でいうとドーシャのバランスをとるということ。

ピッタ・ヴァータ・カパの3つのエネルギーバランスを調整し、
強くなりすぎてしまったドーシャのエネルギーを下げて
正しく働くレベルになるように調整するのです。

そのための方法として、
物理的なものとそうでないものの2通りあります。

物理的なケアとは、
感覚器官本体をケアする方法。

そうでないものとは
外部から入ってくる情報のコントロールや
環境によってケアする方法。

ひとつひとつ説明していきますね。

感覚器官本体をケアする方法

目という器官はピッタの部位。

これはアーユルヴェーダ的表現ですが、
つまりは、
目はピッタの火のエネルギーが強く働く場所
ということです。

そのため、目のケアというと、
強くなりすぎた火のエネルギーを鎮めること
ということになります。

火のエネルギーが強いということは、
ヒートアップ、熱くなっているということなので、
強くなりすぎたエネルギーを鎮めるためには、
温めるのではなく、
冷やすほうがよいということになります。

冷やす方法についてはなんでも構いません。

一番簡単な方法は、
冷たい水に浸したタオルを絞って
目の上に置くこと。

拍子抜けしましたか?

アーユルヴェーダ的な方法を期待された方には
申し訳ないのですが、
特に、目のケアに関しては、
何かを使うことに十分な注意が必要です。

アーユルヴェーダ的ケアもありますが、
それはあくまでも
個人の責任で行って頂く必要があるもの。

ただ、どんなものか知りたい方のために、
概要だけ説明しますね。

ネートラタルパナという方法が
代表的な目のケアとして挙げられます。

これにはギーを使います。
ギーとは
バターを精製して
良質のオイルのみを残したもの。

ギーは冷たい性質をもつとされています。
この冷たい性質を使って
目を冷やすという原理です。

ギーを溶かして液体の状態で
目に流し込む方法です。

ただし、これは高度に専門的な処方で、
数々の注意事項もありますので、
個人で試すのはおやめくださいね。

あくまてもそういうものがあるという
ご紹介にとどめさせて頂きます。

さて、ここで疑問がありますよね?
最近、
目の手当てとしてよく言われるのが
温める方法。

目の上にのせるホットパックなどが
よく紹介されていると思います。

冷やす?温める?どっちだぁ!
の疑問は次でご説明しますね。

目は冷やすの?温めるの?

目を冷やすケアが当てはまるのは、
目が炎症を起こしている状態。
つまり、充血している状態が主になります。

充血の原因はいくつかあります。
・外部からの刺激
・目の病気
・目の疲れ

このうち上の二つは特に注意が必要です。

・明らかに目にゴミが入った
・目を汚れた手でこすってしまった
・長時間紫外線にあたっていた
・いつまでも充血が収まらない
・目にかゆみがあるなどアレルギーっぽい
など、特に思い当たることがある場合には、
病院へ行って診てもらうことをご検討くださいね。

何か特別な原因が思い当たらず、
・パソコンはスマホを見過ぎていた
・長時間何かを凝視していた
などが原因として思い浮かぶようであれば、
それは、疲れ目が原因の可能性が高いです。

こうした疲れ目など、
目の使い過ぎによる目の充血には
クールダウンがおススメなのです。

最近は減ったようにも思いますが、
目薬の宣伝では、
スカッとさわやかとか、
クール!などの宣伝文句が
よく使われていましたし、
成分にもひんやりするものが
使われていたと思います。

充血した目は冷やしてあげるのが
正解です。

では、温めるのはどんなとき?

最近よく言われている目の疲れには、
・物を見過ぎることによる筋肉の疲れ
・そのことから発生するドライアイ
があります。

この場合、
・疲れて張りつめた筋肉を緩めてあげる、
・目の分泌腺を緩めて新陳代謝をよくする
ということが必要です。

そして、そのためには、
目を温めるのが有効ということになります。

冷やすか温めるか。
判断が難しいところですが、
・目がひどく乾燥している
・文字を見ていて焦点があわなくなった
・瞼が開きにくくなった(細目でみている)
などがあれば、温めるほうがよいでしょう。

温める場合は温度にご注意下さいね。
熱すぎるのものを目に当てないように。
もともとが火のエネルギーの強い場所ですので、
熱すぎるものは逆効果ですよ。

情報のコントロールや環境によってケアする方法

目はとても繊細なセンサーです。

目から入ってくるものには、
・光などの物理的刺激
・見ることによって入ってくる情報
があります。

このどちらに対しても注意することが
目をケアすることにつながります。

五感のケアの場合、
1.感覚器官の使用の間違い
2.感覚器官から入る情報の間違い
の2つが
ケアするうえでの大切なカギとなります。

それぞれ見ていきましょう。

1.使用の間違い
目を使いすぎることや目を全く使わないことが
この部類になります。

明るすぎるものを見過ぎること
逆に
真っ暗なところに長く居て全くなにも見ないこと
などです。

明るいものを見続けることは
経験がありませんか?

まぶしいライトを凝視してしまうと
そのあと、
ちゃんと周りが見えなくなったり
なんてことがありますよね。

真っ暗な中に長時間いる場合も
暗いところから明るいところに出たら
まぶしくて目が開けられないなど
経験あると思います。

過度な刺激を目に与えないことは
とても大事なことなのです。

2.情報の間違い
こちらは心に直結することでもあります。

残酷な映像、怖いもの、気分が悪くなるもの
そうしたものを見ることは
目という繊細なセンサーを
狂わせてしまいます。

目から入ってくる情報に基づいて
私たちの行動の多くが決まります。

好ましくないものを見続けることで
目がそうしたものに慣れてしまい、
いざというときに
正しい判断を下せなくなる可能性があります。

現代社会には映像があふれかえっています。
テレビだけでなく、
今はパソコン・スマホから
あらゆる画像が流れ出しています。

時には、
そうした映像を遮断する時間を
とることをおススメします。

目にとってのリセットタイムは
あなたの心にとってのリセットタイムでもあります。

ぜひ意識して
そういう時間を取り入れてみてくださいね。