日常のアーユルヴェーダ

五感ケア:聴覚:後編

五感ケアの中の聴覚ケアについて
お伝えしています。

本日は具体的に、聴覚ケアには何をするといいの?
についてお伝えします。

聴覚ケアについて説明した前編もお読みくださいね。

聴覚ケアって具体的にどうすればいいの?

五感ケアすべてに共通することですが、
聴覚ケアには
・耳という器官に対するケア
・聞くことという事象に対するケア
の2つがあります。

ひとつひとつご紹介していきますね。

耳という器官に対するケア

2つご紹介します。
1.耳をもみほぐして柔らかくするケア
2.耳の穴にオイルを浸透させるケア

1.耳をもみほぐす
耳を触ってみてください。
柔らかいですか?固さを感じますか?

耳は柔らかい状態にしておくことが望ましいです。
固い耳は緊張状態。
固い耳は、入ってくる大切な情報を遮断してしまいます。

人の話を聞く態度を表すときに、
柔軟に人の話を聞くという表現を使いますよね。
人の話だけでなく、耳が正しく情報を受け取るには、
耳を柔らかい状態にしておきたいのです。

さて、耳を柔らかくほぐすのに
可能であれば、オイルを使って頂きたいと思います。

使うのは太白ごま油。
無色透明でほぼ無臭です。
中華料理に使うごま油のように
ごまの香りはしません。

こちらを
可能であれば、温めて。
少量のオイルを手に取ったら
それを耳全体に塗ってください。

そして、まず、
人差し指と中指でV字を作って
下から耳を挟んで上下にこすってください。
しっかりこすることで、
普段にほとんど気にすることのない
耳の付け根が柔らかくなります。

その後は、耳全体をしっかりもみほぐして。

耳にはたくさんのツボがあると言われていますが、
たくさんありすぎて何が何によいのか
どこにそのツボがあるのか、
素人には皆目見当がつかないと思います。

ですので、細かいツボのことはここでは横において
とにかく全体をくまなくもみほぐしましょう。

もみほぐす目的は、耳を柔らかくすることですので、
全体をもみほぐせばその目的は達せます。

2.耳の穴にオイル
アーユルヴェーダの古典に則った方法で、
カルナプールナといいます。

これは耳の中に温かいオイルを注ぐ養生法です。

これを実際に行うには、
きちんとした知識と方法を
実際に学ぶ必要がありますので、
ここでは、詳しく述べません。

そんなに難しいものではないのですが、
耳の中に入れたオイルを
全部外に出し切ることができなくて、
結局耳鼻科へ行ったという友達もいたので、
個人で気軽に試されることはおススメしません。

その代わり、もっと簡易の方法をご紹介しますね。

まず、少量のごま油を
紙コップやステンレスの器などに入れて
湯煎して温めます。

そこに綿棒を浸して
温かいオイルのついた綿棒で
耳の穴の中をぐるぐるとなでてあげます。
必ずオイルは温めてくださいね。

耳はヴァータの部位と前回お話しました。
ヴァータには”乾く”と”冷える”という
性質があります。

温かいオイルはこの2つの性質を
鎮静させることができます。

耳の中にオイルを塗る、
耳の外はオイルを塗ってもみほぐす。
こうしたオイルを使ったケアは
アーユルヴェーディックなケアですね。

オイルを使うのはちょっと。。。
という方は、オイルなしでももちろんOKです。

お風呂に入ったときに、
湯舟に浸かりながら
ゆっくりほぐしてみる。
それだけでもしっかりとケアできますので、
ご自身のできる方法、
負担にならない方法で、
実践いただけたらと思います。

聞くこと、入ってくる情報のコントロール

他の五感ケア同様、聴覚のケアでも、
何を聞くのかということや
入ってくる情報のコントロールも
ケアの一つになります。

古典では、
過度の結合、結合の欠如・誤った結合が
聴覚によくないと書かれています。

過度の結合とは、
大きすぎる音を聞き続けたり
電車や車の騒音をずっと聞いていたり
など過度に聞きすぎていること。

結合の欠如とは、
全く音を聞かないこと

誤った結合とは、
きつい言葉や攻撃するような言葉を
聞くことや、
悲しい知らせを聞くなど
あまり聞きたくないような言葉などを
聞かされることです。

今はネット社会になっていて、
四六時中いろんな媒体から
音や会話が流れ出しています。

いろんな音を聞きすぎて神経が疲れる
なんてことを感じている人も
多いのではないかと思います。

時には少し耳を休息させるために
静寂の時間をとったり、
うるさすぎる音や会話の声ではなく、
心が落ち着くような環境音などを
取り入れてみるなど
工夫されてみてはどうでしょうか。