日常のアーユルヴェーダ

五感ケア:味覚:オイルうがい(ガンドゥーシャ)

アーユルヴェーダでは、お口のケアとして
舌掃除とオイルうがいが代表的です。

舌掃除についてはこちらの記事をどうぞ。

オイルうがいはアーユルヴェーダ用語でガンドゥーシャ。
口の中にオイルなど様々な薬剤を含むことで
口と声の健康維持を目指す
アーユルヴェーダの代表的養生法のひとつです。

アーユルヴェーダのお口のケア:ガンドゥーシャをご紹介

アーユルヴェーダの毎日の日課の中でよく紹介されるのが
こちら、オイルうがい=ガンドゥーシャです。

ガンドゥーシャとは?

ガンドゥーシャは日本語でオイルうがいと訳されています。
英語では Oil PullingやOil Swishing などと呼ばれます。

オイルうがいというと、
オイルを含んで、のどでがらがらするのかと
勘違いされる方も多いのですが、
それは間違い。

のどでガラガラするのではなく、
口の中いっぱにオイルを含んで、
ゆっくりと動かして吐き出します。

ガンドゥーシャに使う液体は
実はオイルだけとは限りません。

お湯やミルク、はちみつ、薬草の煎じ液、薬用酒など、
その人の体質や状態によってさまざまな液体が使われます。

そうした様々な液体のなかで、
日課として誰にでも勧められるお口のケアとして
オイルを使うガンドゥーシャがよく紹介されています。

オイルうがいの目的は?

アーユルヴェーダの古典には次のように書かれています。

ごま油を口いっぱいに含んでうがいすることにより、
あごと声が強くなり、顔面の発育も良くなり、
食物の最上の味や風味を味わえるようになる。
(中略)歯は虫歯を患わずに固く根差したものとなる。
チャラカ・サンヒター 総論

舌掃除は口の中のアーマ・細菌などを取り除き、
清潔に保つために行う養生法でしたが、
オイルうがいの場合、
口の中が清潔になるということももちろん言えますが、
それだけでなく、口の中を鍛えることにもつながります。

オイルうがいをすることで、得られることには
次のようなことがあります。
・歯が丈夫になる
・歯茎が丈夫になる
・味覚がよくなる
・頬の筋肉が鍛えられて噛みしめを軽減する
・加齢による口周りのしわやほうれい線を軽減する

オイルうがいのために用意するもの

基本はゴマ油。
これさえあればできることなのですが、
ちょっとした小道具を用意することで、
より手軽に簡単に実践できるようになります。

ということで、私がいつも用意しているのはこちらです。

左から順に

・紙コップ
・新聞紙
・ごま油
・ハッカ油

詳細をひとつひとつ説明しますね。
・紙コップ
1回分のオイルをここに入れて口に含みます。
口のなかでクチュクチュとオイルうがいした後は、
ここに吐き出します。

この紙コップは100均で買ったものです。
60個入りですので、
2ヶ月分の紙コップ代は100円です。

・新聞紙
読み終わった新聞紙を適当なサイズに割いて使います。
新聞紙がなければ、
ティッシュでもキッチンペーパーでも大丈夫です。
紙コップのオイルを口に含んだ後、
適当に割いた新聞紙を入れておいて
そこに吐き出せば、新聞紙がオイルを吸ってくれます。

紙は絶対に用意しなくてはならないわけではありませんが、
何かオイルを吸わせる物があるほうが
捨てやすくなります。

・ゴマ油:ジャム瓶に移し替えています
ゴマ油には太白ごま油を使います。
透明なこちらのタイプです。

アーユルヴェーダではいろんなことにゴマ油を使いますが、
必ずこの透明なタイプです。
料理によく使われる焙煎された茶色のものではありませので、
ご注意くださいね。

ゴマ油はそのまま使って頂いてOKです。
アーユルヴェーダの本やサイトでは、
ゴマ油はキュアリング(高温で熱する)して使うと
紹介されていますが、
実は、絶対にそうしなければならないわけではありません。
キュアリングする、というだけでハードルが一気にあがり
実践する人が減る傾向があるので、
ここでは、割愛しますね。
キュアリングの意義や方法はまた別の機会に改めて。

写真のゴマ油に何か入っているのが気になる人のために。
これ、スパイスのクローブです。
私の場合は、ゴマ油にクローブを漬け込んでいます。
クローブは口臭予防や歯の痛み止めに使われたりするなど
お口のケアにも活躍するスパイスですので、
よければ試してみてくださいね。

・ハッカ油
こちらは必要というわけではありませんが、
あるとオイルうがいに変化がでて楽しめます。
紙コップにオイルを入れた後、軽くワンプッシュ吹きかけます。

ハッカなので当然ですが、
オイルだけのときよりもはるかにさわやかになります。

このハッカ油は万能で、他にも色々と使い道がありますので、
ひとつ持っておかれるとよいですよ。

例えば、どこへ行くにもマスクが必須の今、
マスクに息苦しさを感じる方は、
マスクの外側、片隅にほんの少しつけるとスッキリします。

始めて購入される方は、
こちらのスプレーと詰め替えのセットがお勧めです。

オイルうがいのやり方

道具がそろったところで、
手順のご紹介です。

1.ゴマ油を紙コップに大さじ1~2ほどの量をいれてそれを口に含む
2.口の中で数分間、オイルが口の中全体にいきわたるように
  クチュクチュとうがいする
3.1.で使った紙コップに適当に割いた新聞紙を詰めておいて、
  そこにオイルを吐き出す
4.水かお湯で口の中を軽くゆすぐ
5.紙コップは生ごみとして捨てる

口に含むゴマ油の量ですが、
実は正式なガンドゥーシャでは、
口の中がいっぱいになるぐらいの量のオイルを使います。

やり方も、
オイルでパンパンになった口をぎゅっと閉じて
しばらくその状態をキープするというもの。

ただ、これ、そんな大量なオイルを
毎日消費するとなるとコストがかかりますし、
紙コップも大きい物を用意しなければならないし、
捨てるのも大変です。

ですので、
日課としてのオイルうがいを続けるためには、
続けやすいオイルの量ということで、
大さじ1~2杯程度をお勧めしています。

このくらいの量ですと、
口のなかでクチュクチュできますし、
新聞紙などに十分吸わせることができるので、
捨てるときに困りません。

オイルを口に含んでいる間は、
頬を膨らませてオイルを行き渡らせてみるなど
口周りの筋肉をしっかり運動させることで
口周りの筋肉の衰えを防ぐことができて
リフトアップなんかにもつながりますよ。

いつするのがいいの?

オイルうがいのタイミングですが、
可能でしたら、朝起きたとき、
軽く歯磨きして舌そうじした後に
続けて行うことが勧められています。

けれど、朝からそんなことしている時間はないという方は、
一日の中のどの時間帯でも構いません。

それから、頻度ですが、
毎日できればよいのですが、
これもまた、毎日するのが難しい場合には、
週に1回でも2回でもできる範囲で
実践してもらえればと思います。

All or Nothing、100か0かではなく、
できる範囲で、細々でよいので続ける
これがこうした日課として勧められている養生法には
とても大切なことなのです。

すぐには効果が感じられないかもしれません。
でも、続けていくことで、
あるとき、歯医者さんにいったら
歯茎がしっかりしていますね、と言われるとか、
気が付いたら噛みしめが減った、
寝起きがすっきりするようになった、など、
思わぬタイミングでご褒美に気づくことでしょう。

まずは、一度試してみて頂ければと思います。