学生のころ、「一日の過ごし方」というような特集記事の雑誌や本を
読みふけった時期がありました。
朝おきたら窓を開けましょうから始まって、食事や運動、歯磨きや入浴などに
いたるまで、どんなことをどんな風にするとよいのか、どんな時間に何をするのか、
そんな細々した生活の知恵のようなことが書かれていて、それを実行すれば、
毎日がずっと素敵なものになるような、そんな期待を抱いていました。
毎日を丁寧に過ごすというコンセプトにも惹きつけられていたと思います。
今思えば、そのころからコントロールの効かない自分の思考や行動パターンに
振り回されて、せめて日々繰り返される些細な行動を規則正しいものにすることで
もう少し楽に、毎日をもっと楽しく過ごせるようになりたいという願望が
あったのかもしれません。
アーユルヴェーダを学び始めて、心と身体の健康のために、ディナチャリアという
毎日行うとよい日課というものがあるということを知ったとき、
何事もやっぱり日常が原点なのだ、ということを再認識しました。
ディナチャリアはアーユルヴェーダでは、心と身体の健康を作るために欠くことのできない
根幹となる要素のひとつであり、幸福な人生のための処方箋です。
アーユルヴェーダの理論に基づいて、朝起きてから夜寝るまでの間に
どのように過ごすことがよいのか、日課として毎日何を行うとよいのか、
そして、どのように思考を整えるのかなど、その内容は多岐に渡ります。
全部を一度に試みるのはとてもとても無理ですが、できることから一つずつ
生活に取り入れていくことで、少しずつ変わっていく自分を体感できます。
毎日本当に忙しくて、朝起きてから寝るまで時間に追われて、何がなんだかわからないうちに
一日が終わってしまって、心も身体も疲れているという人にとっても、
時間はあってやりたいこともやるべきこともあるのに、なぜかぼんやりと一日が過ぎてしまって、一日の終わりに後悔することが多くて、そこから抜け出したいという人にとっても、
それぞれができる範囲でディナチャリアを日常生活で実践していくことで、
今の自分の状態からよりよい状態へ、より自分が望む状態へと変わるための
しっかりとした基盤を自分自身の中に築いていくことができます。
日常の中の小さなことからはじまる幸福な人生への第一歩がディナチャリアなのです。
最後までお読み頂きありがとうございます。
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